顧客志向のデジタル金融イノベーション

金融サービスが好循環をもたらす
近未来社会

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オープンイノベーションへの
重点4領域

 現在、フィンテックで重点を置く分野はどこですか。

 1つ目がインターフェース領域で、オープンAPI(Application Programming Interface(注1))の開発や既存サービスのユーザーインターフェースを改善する取り組みです。そして、これを支えるのが2つ目の重点領域であるセキュリティ・認証です。当社が開発した新しいセキュリティ基盤「PBI」(Public Biometric Infrastructure)は、本人認証が指一本でできる画期的な認証機能です。登録した生体情報を公開鍵化し、クラウド環境に入れておけば、業種を問わずあらゆるビジネスで共有できます。クレジットカードやキャッシュカードの認証はそれぞれ異なるため、管理が煩わしいですが、一回登録した生体情報を横断的に利用できるとなれば、利便性は大きく向上します。

 3つ目はビッグデータ・AIの領域です。ビッグデータ時代に、金融機関が扱うデータ量は加速度的に増えています。量だけでなく質の面から見ても、データのハンドリングを直観や経験則だけに頼ることは困難になってきています。当社のAI技術「Hitachi AI Technology/H」(以下AT/H)は、数値解析を得意としています。

 AT/Hは、膨大な量のデータから相関関係が強く見える部分を洗い出し、これまで見えなかったデータの相関関係を浮き彫りにします。これを活用することで、生産性の効率や不正検知の精度を上げるなど、さまざまな分野で成果を出しています。

 最後に金融インフラ領域で、ブロックチェーンに代表される革新的技術のR&Dを進めています。あるイベントが発生すると次のイベントが自動執行されるスマートコントラクトという技術もブロックチェーンの機能の一つです。たとえば、シェアリングエコノミー社会では、カーシェアでエンジンをかけた瞬間から保険が付帯され、走行距離、運転データに応じて保険料が変動するという契約条件をつけることなどが考えられます。また、IoT(モノのインターネット)とスマートコントラクトを結び付けることで、さまざまな損害保険商品が編み出せるでしょう。さらに、医療機関から保険会社へデータをつなぎ、銀行と連動させることで、退院手続き時には医療保険の給付が完了されることも実現できるでしょう。

注1)
ソフトウェアやアプリケーションが持つ機能の一部をシステム間で利用する基盤技術。それを第三者に開示することからオープンAPIと呼ぶ。

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