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【CASE2:ウェザーニューズ】
独自の気象ビッグデータをAIで解析
精度の高い天気予報を74億人に発信

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◎Special Interview
気象業務支援センター 理事長(元 気象庁 長官)
羽鳥光彦

MITSUHIKO HATORI
東北大学大学院理学研究科を修了し、気象庁に入庁。2011年1月、気象庁長官。退官後、気象業務支援センター代表理事 理事長に就任。

気象観測の技術・精度は高まり
AIによるデータ解析も加速

 気象情報データは、なくてはならない社会インフラになっています。自然災害を防ぐためにも、船舶や航空機の安全な運航にも、太陽光発電などエネルギー事業でも気象情報は重要です。

 気象庁は静止気象衛星のひまわり、国内1300カ所の地域気象観測システムのアメダス、20基の気象レーダーなどで観測し気象データを収集していますが、こうした情報を民間事業者に提供するのが我々、気象業務支援センターの役割です。

 各国の気象機関では、国連の専門機関である世界気象機関の下、観測の仕方やフォーマットを決めてデータを収集、それらの情報も提供しています。

 2015年7月、世界最先端の観測機能を持つ「ひまわり8号」の運用が始まりました。全球の観測が7号では1時間ごとでしたが、8号は10分ごとになり、さらに日本周辺は2・5分ごとにデータを送ってきます。

 台風や低気圧の雲の動きを500メートルのメッシュ間隔でとらえられるなど、観測機能が大幅にアップしました。全球のカラー画像の合成も可能で、火山灰、黄砂、海氷などの判別もできます。これらは、アジア太平洋の国々にも同時に提供され、我が国の大きな国際貢献の一つになっています。

 予報業務許可事業者は65あり、有力な事業者は日本気象協会、ウェザーニューズ、いであ、テレビ局などです。気象情報はオープンにされ、すべてのデータを公平に受けられ、予報会社の中には独自の観測システムを構築したり、情報の見せ方を工夫するところもあります。

 総務省が国内企業へのアンケート調査から情報の種類ごとに情報量の推測を行っており、気象データの流通量は8789テラバイト。2005年に比べ10倍に増加しています。21種の情報種類別の伸びでも防犯・遠隔監視カメラデータ、センサーデータなどとともに、大きく伸びています。

 今後、気象データの重要性は高まり、解析・予測技術も格段に向上します。がんの判定にAIが使われ始めたように、気象データの解析にもAIが大きく関わってくるでしょう。


●取材・文|前原利行(ダイヤモンドクォータリー編集部)


*【CASE3:データスタジアム】はこちら

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