エクスポネンシャル技術と非線形思考で21世紀の課題をすべて解決するシンギュラリティ大学の挑戦

エクスポネンシャル技術と非線形思考で
21世紀の課題をすべて解決する
シンギュラリティ大学の挑戦

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 しかし、潤沢経済の世界では、エネルギーは無限で、しかも無料になります。エクスポネンシャル技術は、間違いなく人類をこの方向へと導きつつあります。従来の未来予測、ゲームルール、マインドセットでは、正しい意思決定を下せないでしょう。

 シンギュラリティ大学は、このような明るい未来を目指して、さまざまな角度から物事を考え、どんなことができるのかを議論・検討し、新しいコンセプトや問題解決法、革新的な製品やサービスを創造し、次世代へのロードマップを描き出す場所です。

 早晩、誰もがエクスポネンシャル技術の本質を理解するようになるでしょう。また、AIやロボット、バイオテック、脳神経科学などの最新技術を活用することで、これまで解決できなかったことが解決されることでしょう。そのためにも、世界中の人たちがエクスポネンシャル技術に注目する必要があります。

 その一助となるべく、シンギュラリティ大学では、グランド・チャレンジ(大きな挑戦課題)への取り組みを共通のテーマに設定しています。現時点では、12のテーマ――「教育」「エネルギー」「環境」「食糧」「医療」「脱貧困」「安全」「水」「宇宙」「災害復興」「ガバナンス」「住居」――を掲げています。

 我々は、エクスポネンシャル技術の活用例や今後の可能性を共有するために、さまざまなカンファレンスを開催していますが、その一つに「グローバル・サミット」というのがあり、ここでは、エクスポネンシャル技術を用いてグローバルなグランド・チャレンジの解決に挑戦している社会起業家たちを表彰しています(下図「グローバル・グランド・チャレンジ賞受賞企業」を参照)。

図表 グランド・グローバル・チャレンジ賞受賞企業

シンギュラリティ大学の
課題解決の流儀

 シンギュラリティ大学は、創造性の開発、イノベーションの創発を後押しする場所でもありますね。

 グランド・チャレンジを解決し、世界を変革するために、荒唐無稽に聞こえるような「壮大な課題(ムーンショット)」にも大胆不敵に挑戦し、失敗してもくじけることなく何度でもやり直す。これがシンギュラリティ大学の文化です。こうした態度を失わない限り、イノベーションは必ず生まれてくると信じています。

 また、「百聞は一見にしかず」といわれるように、みずから現場におもむき、そこで起こっている問題について身をもって知ることが不可欠です。そうした現場に連れていってもらうために、UNICEF(国連児童基金)、WFP(国連食糧計画)、世界銀行、米国赤十字社など、グランド・チャレンジと日々格闘している組織とパートナーシップを組んでいます。

 まず現場で起こっていることを知り、理解を深める。そして、参加者やシンギュラリティ大学のグローバルなソーシャルキャピタル(人間関係資本)を利用して、その問題の解決にふさわしいスキルの持ち主たちを集め、エクスポネンシャル技術を活用したソリューションを考える。

 いろいろな制約があるせいか、企業、NPOやNGO、財団などの解決策は、どうしても局所的で一時的な改善策になりがちです。一方、シンギュラリティ大学では、こうした漸進的なアプローチではなく、一気呵成に解決・撲滅する方法を考えます。あえて難しい課題を設定することで、みんなの思考や議論を触発するわけです。

 正直なところ、ずっと未解決のままだった課題を解決するには、これまでの方法では不可能でしょう。イノベーティブな方法を編み出して、初めて前に進めるのです。したがって、一流の専門家といえども、思考様式の転換が要求されます。すなわち、常識、ルール、理論など、過去につくられたものから、みずからを解き放ち、ゼロベースで始める必要があるのです。

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