“プレイステーションの父”が語るイノベーションの核心デジタル時代の「愉快な未来」のつくり方〈1〉

“プレイステーションの父”が語るイノベーションの核心
デジタル時代の「愉快な未来」のつくり方〈1〉

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言わば、久夛良木さんも「モノリス」に触れたのですね。

  •  そうかもしれません。だってワクワクしませんか。20世紀後半にコンピュータが誕生し、無数のコンピュータがネットワークにつながったことで地球規模のインターネットが誕生し、21世紀初頭に情報化の時代が花開き、いまや情報サービスの時代に入りつつある。しかも、近い将来にAIが生まれようとしているのかもしれない。この時代を共有しているというのは、すごく幸せなことだと思いませんか。

    点と点がつながり、
    スパークする瞬間がやってくる

     テクノロジーの新たな地平が開いた時、「コンセプト結晶化のカギ」となるものは何でしょうか。

     いろんなものに関心と好奇心を持って、その場その場で不完全でもいいから、「自分の頭で意味をきちんと理解しようとすること」でしょうね。すると疑問と疑問がつながって、ある「仮定」が生まれてくる。それを今度は再検証することもあるし、別のものに出会えば修正しようとか、やっぱりそういうことなのかと合点がいくこともある。

     つまり、ずっとテーマを持ち続けていれば、たとえさまざまなことが起きたとしても、それぞれは独立した事象じゃない。いろんなものが突如、「つながって」くるんですよ。

     スティーブ・ジョブズも言っていますね、「点と点がつながる」と。

     それって、ノードとノード間を多層的なリンクをつなげて各層の重みを計算するという、ニューラル・ネットワーク(神経回路網)における「ディープラーニング」と同じ仕組みですよね。急に何かが離散的な事象として発生しても、ある程度それが繰り返されると、学習により文脈や道筋が見えてきて、次はここをつなげばいい、とひらめく。まさに、「点と点がつながる」わけです。

    ニューロンの回路がつながって、スパークする瞬間があるのですね。

     そうです。長い間、好奇心で積み重ねたものが突然「発火」するという感じでしょうか。これから5年、10年、15年先に起こることのために、その周到な準備段階として誰かがコンピュータを発明し、誰かが半導体を誕生させ、誰かがインターネットをつくり出し、誰かがディープラーニングという斬新な手法を見出してくれた、と考えるタイミングが必ず来るでしょうね。

     それぞれが個々にすごいイノベーションなのですが、先に行ったらもっとすごいイノベーションのための準備段階でしかなかった――そんなことがこれから次々と起きてくるのでは、と見ています。

    図表1 コンピュータを取り巻く、進化の歴史
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