【ソラコム】IoTスタートアップが一直線に目指す

「日本発」のグローバル・プラットフォーマー〈1〉

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 IoTの活用例はまだまだたくさんありますが、インターネットと同様に、今後のビジネスにIoTは不可欠な存在になっていくことは間違いありません(図表1「さまざまな産業に広がるソラコムユーザーのIoT事例」を参照)。

 さらに近い将来、個人に〝搭載(エンベッディド)〟されたIoTアプリケーションが一般化してくるはずです。実際、それに近いサービスがすでに始まっています。
 たとえばその一つが、2017年11月にファッション通販サイトのZOZOTOWNが無料配布を始めた「ZOZOSUIT」という、伸縮センサー内蔵のボディスーツです。これを着用してスマホをかざすだけで、瞬時に採寸することが可能となります。
 いまやアパレルのオンライン販売は珍しくありませんが、このビジネスには「商品を購入してくれているお客様のサイズがわからない」という、極めて基本的な問題を抱えています。それゆえ、各サイズについて多めに在庫を持っておく必要があります。また、返品や交換への対応もあるでしょう。
 しかし、ZOZOSUITを使えば、これらの問題が解決できるだけでなく、体型に関するビッグデータを活用することで、新商品の開発や顧客リレーションシップの深耕はもとより、他分野への応用や異業種とのコラボレーションなど、新たな展開も生まれてくるはずです。
 また、ソラコムのユーザー事例では、トリプル・ダブリュー・ジャパンの排泄予測サービス「DFree(ディーフリー)」があります。要介護者の排泄をサポートするウェアラブル端末と専用アプリケーションを開発し、主に介護施設や病院に提供。要介護者にDFreeを装着してもらい、超音波センサーによって膀胱の状況を把握・分析することで、排泄のタイミングを予測できるようになりました。これを介護者に送ることで、失禁を未然に防ぐことができます。
 このように、IoTは新しいビジネスを起こし、既存のビジネスを飛躍させる大きなチャンスをもたらすものですが、実際に取り組むと、たいていどの事業者も同じ壁に突き当たります。「どうやってネットワークにつなげるのか」「データはどこに蓄積すればよいのか」「どうすればデータを安全に守れるのか」など、新しい分野ならではの課題が立ちはだかるからです。
 そうした課題を解決するために、私たちは2015年に「SORACOM Air(ソラコム エアー)」という、IoTに特化したSIMカードを開発しました。
ちなみにSIMカードというのは、スマホなどの携帯端末で通信する際に必要な、約1センチ四方のカードのことです。それぞれに固有のIDが割り振られており、言わば「端末の身分証明書」のようなもの。スマートフォンと同じ通信をモノでも使うわけです。このモノ向けのSIMカードを、1枚単位からリーズナブルに使えるようにしました。
 もちろん私たちが提供するのは、このSIMカードだけではありません。IoTシステム構築で直面する課題を先回りしたサービスも提供しています。たとえば、大量につながるモノの管理。「SORACOM」のプラットフォーム上で、どのSIMから上がってきたデータなのかをID判別したり、システム連携に必要なパスワードなどの認証を管理したりすることができます。専門知識の必要なIoT通信が使いやすくなれば、大企業からスタートアップまで、誰もがIoTプレーヤーになれる可能性が拡がるのです。

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