企業文化と価値観の共有から始まる

「働きがい」のある
革新的企業のつくり方<2>

  • 文字サイズを変更する
  • 印刷する

*第1回はこちら

TERRI L. KELLY
W. L. ゴア・アンド・アソシエーツ社長兼CEO。デラウェア大学工学部機械工学科を卒業した後、1983年にエンジニアとしてゴアに入社。軍用ファブリック事業のプロダクトスペシャリストとして経験を積んだ後、グローバルファブリックス部門のリーダーシップチーム、エンタープライズオペレーションコミッティのメンバー等を経て、2005年より現職。また、子どもの健康改善に取り組むヌムール財団理事、デラウェア大学理事会メンバーなどを兼ねる。

 格子型組織を採用しているゴアには、必然的に階層がないわけですが、リーダーという肩書きの人たちがいます。どのように選ばれるのですか。また、格子型組織では、組織メンバーは平等であり、誰かに一時的に権限が与えられることはあっても固定化することはないそうですが、すると、課題やプロジェクトなど状況に応じて、リーダーが交代するのでしょうか。

 おっしゃる通り、ゴアには伝統的な組織階層がありません。しかし、事業部門と職能部門それぞれの主要分野には、コミットメントを傾け、責任を負うリーダーシップチームが設けられています。

 これらリーダーシップチームは、ゴアの価値観からぶれることなく行動し、他のアソシエートたちを率いる際には、コマンド・アンド・コントロールに訴えたり、ボスのような態度を取ったりしないよう、常に注意を払っています。

 さらに、チーム、事業、職能の各部門の成功に献身することを正式な仕事とするリーダーたちがいます。彼らの仕事には、会社の業績をより向上させるために、適材適所、適切な戦略の策定、協力して働くうえで適切な方法などが含まれます。

 アソシエートを、正式なリーダーの役割を果たすにふさわしい人物へと育て上げるには、知識、経験、スキルや能力などの要素もさることながら、ゴアの企業文化を体現できているかどうかが極めて重要です。

 なお、優秀なリーダーは、けっしてコマンド・アンド・コントロールに訴えたりはしません。チームが最高の結果を生み出せるよう、手を差し伸べます。すなわち、アソシエートたちが会社の成功に貢献できるよう、権限を委譲し、チャレンジ精神をかき立て、また動機付けることで、彼らを支援するのです。

 多くの場合、リーダーは、スキル、能力、フォロワーシップ(他のアソシエートから信頼・支持されること)に基づいて選ばれますが、時には、ある人物が早晩フォロワーシップを獲得するであろうと判断し、期待を込めて任命することもあります。

 フォロワーシップを評価するに当たって、多くの場合、「誰についていきたいか」、社内の関係するアソシエートたちに質問します。私たちは、このフィードバックを大変重視しています。同時に、求められている役割をもれなく理解しているか、仕事上必要とされる能力があるかを評価することで、このフィードバックを補完します。

 あなたも、アソシエートたちに選ばれてCEOになったのですか。

 ゴアでは、リーダー全員が身をもってフォロワーシップを示すことが期待されています。私も例外ではありません。

 取締役会も、意思決定プロセスの一環として、部門横断的に「誰についていきたいか」とアソシエートたちに質問します。取締役会は、CEOの選任について最終的な責任を負っていますが、その決定に際して、アソシエートたちからの情報は重要な要素の一つです。

新着記事

一覧